2011年9月24日土曜日

デキる男?








ワイシャツにネクタイ

デキル男のイメージ


職場ではいつもクールで

たまに見せる笑った時の

真っ白な歯


そんな彼が私だけに見せる

素敵なしぐさ


ネクタイを緩めて

ワイシャツのボタンを

二つ外すの...

そして

ヤコブセンの間接照明が照らす

天井を眺めながら

フーっと息を吐き

ドカッとコルビジェのチェアーに

腰を落とすの...


キッチンのカウンター越しに

料理を温めながら

そんな彼のしぐさを

眺めてるの

私だけの彼との時間


テーブルに彼が大好だと言う

貝汁を置くと

彼は無言でグビグビッと

飲み干すの

「あーうまかー」


彼は九州人

普段は標準語で話すんだけど

本当に限られた人の前だけで

思わず出てしまうんだって


フフフ

私は限られた人間

スペシャルなの...


彼は貝汁の汁だけ飲んで

貝の身は食べないの


「身は食べないの?」


「うん。汁が大好きなんだ。」


「そうなんだ。」


彼の残したその貝の身を

彼の横に座って食べるの



「ジャリッ...」


私の顔が一瞬ゆがむ


彼は横目で見てたけど

見て見ぬふり



彼のさりげない優しさに

益々ゾッコンに...



それから三ヶ月彼は来ない

風のうわさで料理上手な彼女が

できたらしい...



砂抜きを知らなかった私の

砂を噛むような

苦いおもひで...




                    fin











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